ベースの音って、いいよね。

思考

これまでに数え切れないほどの楽曲を聴いてきた。
ジャンルや構成、楽器の違いに触れるうちに、
気づけば「音そのもの」に強く惹かれるようになっていた。

音楽を聴き始めた頃は、ボーカルばかりを追っていた。
歌がすべてで、イントロや間奏は正直、なくてもいいと思っていた。

それが、聴く音楽が増えるにつれ変わっていった。
ギターソロの音色や、主旋律を支えるフレーズに耳が向き、
楽器で感情を表現する世界に惹き込まれていった。


最初は、ベースが聴こえなかった

ベースの音は、正直よく分からなかった。
意識して耳を澄まし、「これかな?」と半信半疑で追いかけて、
ようやく存在を感じ取れる程度だった。

極端な話、
「ベースって、いてもいなくても同じじゃないか」
そんな暴論が頭をよぎったことすらある。

転機になったのは、
ベースを始めた知人の言葉だった。

メロディとは違う場所で、
低音が自由に動き回っているのがすごく良い。

それをきっかけに、
意識してベースの音を聴くようになった。


ベースを消したら、音楽が壊れた

ある時、練習用の機材を使って、
普段聴き慣れている楽曲からベースの音を消してみた。

すると、驚くほど音がスカスカで、
どこか耳障りで、落ち着かない。

「なるほど、これは必要だ」

理屈ではなく、体感として理解した瞬間だった。

そこから、
ラルクアンシエルや黒夢など、
アクティブで個性の強いベースラインを持つ楽曲に触れ、
衝撃を受けた。

音は明らかに動き回っているのに、
楽曲の芯は一切ぶれない。
むしろ、全体を強く引き締めている。

ベースは、
想像していた以上に自由で、
想像していた以上に重要な楽器だった。


低音に引きずり込まれる

低音の臨場感。
うねるような動き。
バスドラムと噛み合ったときの推進力。

気づけば、
ベースとバスの音ばかりを追いかけて、
そのために音楽を聴いているような感覚すらあった。

低音をきれいに聴きたくて、
再生機器やイヤホンにもこだわり始め、
ベースについて調べるようになった。


好きだけど、弾かなかった理由

プレイヤーとしては、
自分にはギターが一番しっくりきた。

変化が分かりやすく、
奏法の幅も広く、
決めどころで音を前に出せる感覚が楽しかった。

ドラムにも惹かれ、
リズムを体に馴染ませ、
ベースとバスを合わせたときの一体感は格別だった。

それでも、
ベースを本格的にやろうとはしなかった。

理由の一つは、
身の回りにベーシストが多く、
ギタリストが少なかったこと。

もう一つは、
影で支えながらも独自に動き回る、
あの独特な立ち位置を、
自分が担うイメージが掴めなかったからだ。

むしろ、
それを完璧にこなすベーシストが格好良くて、
「なりたい」よりも
「一緒に演奏したい」という気持ちが強かった。


ベースが入る瞬間の安心感

ギターやピアノだけで始まるイントロに、
あとからベースが加わった瞬間、
曲に深さと、どこか温かい安心感が生まれる。

バスとベースが噛み合い、
低音がしっかりと土台を作ることで、
楽曲は一気に引き締まる。

ベースの魅力は、
語り尽くせるものではない。


ベースは、音楽の奥へ連れていく

ベースは目立つ楽器ではない。
けれど、気づいた人から、
音楽の奥深い場所へ引きずり込んでいく楽器だ。

これからも、
まだ知らないベースの魅力に出会えることを、
静かに楽しみにしている。

LAKELANDのSLシリーズ。

スタジオで何の機材も使わずに使った時に、重厚で芯のある音が凄すぎて、衝撃を受けた。弾きやすさ、取り回しがとても良くて、青色のキルトなデザインも気に入っていた。

自分にはオーバースペック過ぎて、もう少し気軽に管理して使用したいと感じてしまい、あるタイミングで手放してしまったが、ハイエンドベースの凄まじさを、かなり勉強、体感させてもらった。

塔野ミノル

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